持てあました時間を使って即興で啜ってみたんだぜ
メッセージウィンドウを頭の中で浮かべながら書いたから一行空白があるのはそれだと思って読んでくれ

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【場面:教室】
キーンコーン

チャイムと同時に今日の授業が全て消化済みになる。
皆めいめいに帰り支度をする中でオレンジもそれに従っている。

(カンナ)「オレンジ君!」

(オレンジ)「ふぇ?」

不意に声をかけられ、思わずくしゃみの前兆のような まぬけな声を出してしまう。

(カンナ)「このプリントを研究室まで運びたいんだけど、急な用事が出来ちゃったの。
      代わりに運んでくれないかな?」

気に止める様子もなくカンナ先生は話を続ける。

(オレンジ)「俺……ですか?」

(カンナ)「うん」

一呼吸置いた後に周りをぐるっと見渡してみるも、
誰もが「俺も一緒に運ぼうか?」と救済措置的な言葉をかけてくれるどころか、
俺の存在など無いかのように目を合わせようともしない。

くそ、薄情な奴らだ。

(カンナ)「おれんじくーん?」

先生が俺に返答を求めてくる。

周りをもう一度見渡して状況に変化がないことを確認すると、再び先生に顔を向ける。

(オレンジ)「……わかりました」

俺は、積み上げられたプリントの山2つを横目にぶっきらぼうに答えた。

【場面:研究所】
その後、俺は「手伝おうか?」と言ってくれたグレーとマサキに「いいよ、すぐ届けて追いかけるから」と言って帰らせた。

(オレンジ)「早く届けないとな……」

もう日は沈みかけ、周りの空も朱に染まっている。

(オレンジ)(ん?)

ふとその時、窓越しに夕日を眺めている一人の女生徒が目に入る。

(オレンジ)(何やってんだろ……)

(オレンジ)(それにしても…凄い髪長いな…)

長いだけじゃない、綺麗だ。自然にそう思う。
膝まで届くだろうその薄く紫がかった黒髪から目を離すことが出来ない。
白衣にかかる髪の一筋一筋の美しさを、その白が際だたせている様にも見える。

(オレンジ)(うわぁ……)

(オレンジ)「んぁっ!?」

手に持っていたはずのプリントが、宙を舞う。

(オレンジ)(高校生にもなって余所見で転けるとか恥っず//)

他に誰か見ていないかを無意識に確認しながら慌ててプリントを拾い集める。
放課後の研究所に人気などそうないはずなのだが。

(オレンジ)(これで全部かな……)

プリントの角を揃えて立ち上がる。

(夏目)「あの……」

(オレンジ)「ん?」

(夏目)「これ……」

白衣の女の子の手には俺が拾い忘れたプリント。

(オレンジ)(さっきは気にも止めていなかったように見えたけど、まぁいいや)

(オレンジ)「拾ってくれたの?ありがとう」

薄く微笑んでプリントを受け取る。

(夏目)「ぁ、いえ……」

背中を向けて進もうとしたその瞬間、

(夏目)「あの……」

(オレンジ)「え?」

思わず振り返る。

(夏目)「あの、気を付けて……下さいね……」

(オレンジ)「……うん、ありがとう」

【場面:帰り道】

(オレンジ)(さっきの女の子、凄い可愛かったな……)

校舎に背を向け、帰り道をてくてくと歩きながら先程の生徒を頭に浮かべる。
しかし、何かに頭がひっかかる。

(オレンジ)(ん〜?)

何かが、引っかかる。何かが、引っかか――


(((俺は、積み上げられたプリントの山2つを横目にぶっきらぼうに答えた。)))


(オレンジ)「あっ!」

(オレンジ)(しまった! プリントまだ残ってる!)

【場面:帰り道〜寮(オレンジの部屋)】
兎に角残りプリントを届けた俺は帰路を急ぐ。
一応この寮にも門限というものがあるので、寮母さんに目を付けられるのを防ぐためにも、
破るようなことはしたくない。

(オレンジ)「つっても間に合うかなあ」

呟きながらおもむろにポケギアを手に取り、(今ってポケギアじゃないんだっけ? 金銀以降の奴は最近あんまやってねえw)
時刻を確認する。

(オレンジ)(これはヤバイだろ……常識的に考えて……)

針は門限が目に見えるまで迫っていることを機械的に、そして非情に告げている。
俺は足を速める。

………

……

(オレンジ)「ぶはぁっ!」

(オレンジ)(こんなに……走ったのは……久しぶり……だな)

呼吸を無理矢理落ち着かせようとするが、収まらない動悸の前では無駄な足掻きになる。

(マサキ)「? オレンジ? どないしたんや?」

いきなり表れたマサキに驚き、思わず倒れそうになる。

(オレンジ)(これは……体に悪いな……)

(マサキ)「えらい疲れてまんなぁ? まるでフルマラソンを完走した長距離ランナーみたいやで?」

(オレンジ)(つまり俺は、たった帰宅までの道のりでフルマラソンを走ったランナー並に疲れてるように見えるんだな)

何だか悲しい。

(マサキ)「オレンジ? オレンジさ〜ん?」

(オレンジ)「もういい……寝る……」

それだけ言うと俺は全身軋む体を丸ごとベッドにあずけた。
疲れた体に、柔らかなタオルケットがかかるのを肌に感じる。

(オレンジ)(マサキ……か……?)

(マサキ)「わいはもう帰るから起きたらシャワーだけでも浴びるんやでー」

(オレンジ)(意外と良い所もあるんだな……)

不躾にもそんな事を考えながら、ゆっくりと意識が離れていく感覚を貪る。

今日の出会いが、俺の大事な人との初めての出会いだったことも知らずに。
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以上ラピードのプロット(1.)前半部分。書いてて割と面白かったんだぜwwwだが何分難しすぐるwwww
ラピードとか弐千万とか八王子すげえwwwwナツメの髪の色が何色かは知らないww

うん、ナツメに礼を言うのが翌日以降になるk(ry

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